M&Aのデューデリジェンスにおいて、知的財産(IP)の調査は欠かせません。しかし「著作権」は特許・商標と異なり、登録が不要で無方式で発生するという特性から、調査が難しく見落とされやすい権利です。
この記事では、M&Aで見落とされがちな著作権リスクと、デューデリジェンスで確認すべき具体的な項目を解説します。
この記事でわかること
・著作権がM&Aリスクになる理由(登録不要・自動発生の特性)
・デューデリジェンスで確認すべき著作権チェックリスト
・ソフトウェア・Webコンテンツ・デザイン資産の著作権リスク
・職務著作の確認が重要な理由
・著作権リスクの評価と契約条項への反映方法
・著作権がM&Aリスクになる理由(登録不要・自動発生の特性)
・デューデリジェンスで確認すべき著作権チェックリスト
・ソフトウェア・Webコンテンツ・デザイン資産の著作権リスク
・職務著作の確認が重要な理由
・著作権リスクの評価と契約条項への反映方法
1.著作権がM&Aリスクになる理由
特許や商標は登録により権利の存在が明確ですが、著作権は創作と同時に自動的に発生し、登録は不要です(著作権法第17条)。これが著作権のM&Aリスクを複雑にする最大の要因です。
対象会社が「自社の著作物」として使っているコンテンツが、実は第三者の著作権を侵害していたり、外注先や元従業員に著作権が残っていたりするケースがあります。こうした潜在的なリスクは、通常の財務・法務DDだけでは表面化しません。
2.デューデリジェンスで確認すべき著作権チェックリスト
① ソフトウェア・コード
ソフトウェアの著作権DD項目
・自社開発コードの著作権が会社に帰属しているか(職務著作の確認)
・外注・フリーランス開発部分の著作権譲渡契約が存在するか
・OSS(オープンソース)の利用状況とライセンス遵守状況
・退職した開発者が著作権を主張できる余地がないか
・自社開発コードの著作権が会社に帰属しているか(職務著作の確認)
・外注・フリーランス開発部分の著作権譲渡契約が存在するか
・OSS(オープンソース)の利用状況とライセンス遵守状況
・退職した開発者が著作権を主張できる余地がないか
② Webサイト・デジタルコンテンツ
Webコンテンツの著作権DD項目
・サイトデザイン・テキスト・画像の著作権の帰属先
・ストック素材のライセンス状況(期限・用途・複製数)
・SNSアカウントのコンテンツの著作権確認
・外注コンテンツ(記事・動画・デザイン)の著作権譲渡状況
・サイトデザイン・テキスト・画像の著作権の帰属先
・ストック素材のライセンス状況(期限・用途・複製数)
・SNSアカウントのコンテンツの著作権確認
・外注コンテンツ(記事・動画・デザイン)の著作権譲渡状況
③ ブランドデザイン・マーケティング資産
ロゴ・パンフレット・広告素材など、ブランドイメージを形成するデザイン資産の著作権が適切に対象会社に帰属しているかを確認します。外注先に著作権が残っている場合、M&A後の改変・転用に支障が生じます。
AI活用で増える著作権リスクを、組織として管理する仕組みが必要です。EJIS LENSは、自治体・企業の著作権管理業務をAIで自動化するクラウドSaaSです。
3.職務著作の確認が特に重要な理由
著作権法第15条では、従業員が職務上作成した著作物は一定条件のもと会社に帰属する(職務著作)と定めています。しかし、この条件が満たされているかどうかは事実関係によって異なります。
特に確認すべき点は、①フリーランス・業務委託者が作成した著作物(職務著作の対象外)、②社内規程の整備状況、③過去の労使トラブルや著作権に関するクレームの有無です。
4.著作権リスクの評価と契約への反映
著作権リスクを踏まえた契約条項の検討
・表明保証条項:対象会社が第三者の著作権を侵害していないことを保証させる
・補償条項:著作権侵害が発覚した場合の損害補償責任を明確化する
・価格調整条項:重大な著作権リスクが判明した場合の対価調整の余地を設ける
・クロージング条件:著作権上の重大なリスクがある場合の解除権を設ける
・表明保証条項:対象会社が第三者の著作権を侵害していないことを保証させる
・補償条項:著作権侵害が発覚した場合の損害補償責任を明確化する
・価格調整条項:重大な著作権リスクが判明した場合の対価調整の余地を設ける
・クロージング条件:著作権上の重大なリスクがある場合の解除権を設ける
よくある質問(FAQ)
Q1. M&Aで著作権の調査は何をどこまでやればよいですか?
・A. 対象会社のビジネスモデルに応じて優先順位が異なります。ソフトウェア・ITサービス企業ではコードとOSSライセンスの調査が最重要です。コンテンツ・メディア企業では記事・画像・映像の著作権帰属確認が中心になります。
・A. 対象会社のビジネスモデルに応じて優先順位が異なります。ソフトウェア・ITサービス企業ではコードとOSSライセンスの調査が最重要です。コンテンツ・メディア企業では記事・画像・映像の著作権帰属確認が中心になります。
Q2. 外注先に著作権が残っていることが判明した場合、どう対処しますか?
・A. M&Aのクロージング前に外注先から著作権を買い取る交渉を行うか、著作権リスクを織り込んだ価格調整を行います。重大なリスクの場合はDDの発見事項として開示し、表明保証・補償条項に反映させます。
・A. M&Aのクロージング前に外注先から著作権を買い取る交渉を行うか、著作権リスクを織り込んだ価格調整を行います。重大なリスクの場合はDDの発見事項として開示し、表明保証・補償条項に反映させます。
Q3. OSSのライセンス違反はM&Aにどう影響しますか?
・A. GPL等のコピーレフトライセンスに違反している場合、ソフトウェアの公開義務が生じる可能性があります。これは製品価値・競争優位性に直接影響するため、ソフトウェア企業のDDでは必須の確認項目です。
・A. GPL等のコピーレフトライセンスに違反している場合、ソフトウェアの公開義務が生じる可能性があります。これは製品価値・競争優位性に直接影響するため、ソフトウェア企業のDDでは必須の確認項目です。
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