公衆送信権・送信可能化権をわかりやすく解説——アップロード・配信の著作権ルール

公衆送信権と配信の著作権 著作財産権・権利種別

Webサイトに画像をアップロードする、YouTubeに動画を投稿する、SNSでコンテンツを共有する——これらはすべて「公衆送信権」に関わる行為です。インターネット時代の著作権で最も重要な権利の一つですが、正確に理解している人は意外と少ないです。

この記事でわかること
・公衆送信権(著作権法第23条)の定義と範囲
・「送信可能化権」とは何か——アップロードするだけで侵害になる理由
・放送・有線放送・インターネット配信の違い
・ライブ配信・VOD・ポッドキャストと公衆送信権
・公衆送信権の例外(学校教育・図書館等)

1.公衆送信権とは(著作権法第23条)

公衆送信権は、著作物をテレビ・ラジオ・インターネット等を通じて公衆に向けて送信する権利です(著作権法第23条第1項)。著作権者の許諾なく、著作物を公衆に向けて送信することは侵害になります。

2.送信可能化権——アップロードするだけで権利が及ぶ

公衆送信権には「送信可能化権」も含まれています(著作権法第23条第1項後段)。送信可能化とは、サーバーにデータをアップロードするなど、実際に送信が行われる前の「送信できる状態にする」行為です。

つまり、著作権者の許諾なくWebサーバーに著作物をアップロードするだけで(まだ誰も見ていなくても)、送信可能化権の侵害になります。

送信可能化にあたる行為の例
・著作物(画像・動画・文章)をWebサーバーにアップロードする
・SNSにコンテンツを投稿する
・クラウドストレージに著作物をアップロードして共有リンクを発行する
・FTPサーバーに著作物を置いてアクセス可能な状態にする

3.放送・有線放送・インターネット配信の違い

公衆送信は大きく3種類に分類されます。①放送(地上波・BSなど、受信設備があれば誰でも受信できる)、②有線放送(ケーブルTV等)、③自動公衆送信(インターネット配信・ストリーミング)です。

現代のWebビジネスで最も関係するのは③の自動公衆送信です。YouTubeへの動画投稿・Webサイトへの画像掲載・ポッドキャストの配信・ライブ配信はすべてこれに該当します。

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4.公衆送信権の主な例外

公衆送信が認められる例外
・学校の授業目的の公衆送信(著作権法第35条・授業目的公衆送信補償金制度)
・図書館等の公衆送信(著作権法第31条第3項)
・引用(著作権法第32条)の範囲内での送信
・時事の事件の報道(著作権法第41条)

よくある質問(FAQ)

Q1. 自分のブログに他サイトの画像を埋め込みリンク(iframeなど)で表示するのは著作権侵害ですか?
・A. 判断が分かれます。日本の裁判例では、単なるリンクやインラインリンクは公衆送信に当たらないとされる傾向がありますが、実質的に著作物をコピーして表示する形式の埋め込みは侵害とみなされることがあります。
Q2. Zoomなどのオンライン会議で著作権保護されたコンテンツを共有するのは公衆送信ですか?
・A. 特定少数の参加者への送信は「公衆」への送信に当たらないとされることが多いです。ただし、録画して後で不特定多数に公開する行為は公衆送信になります。
Q3. ポッドキャストで市販CDの楽曲をBGMとして使うのは違法ですか?
・A. 権利者の許諾なく市販CDの楽曲をポッドキャストBGMとして使うことは、公衆送信権の侵害になります。JASRACと配信サービス側の包括契約状況によりますが、基本的には個別の許諾または適切なライセンスが必要です。

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