Pexels・Pixabayを日本の商用で使うときに知っておくべきこと——ライセンスと肖像権の注意点

Pexels・Pixabayの日本商用利用 素材・商用利用の実務

📖 素材の商用利用ルールの全体像は 素材の商用利用 完全ガイド でまとめています。


Pexels・Pixabayは、高品質な写真・動画を無料で提供する代表的なサービスです。しかし「商用利用OK」と書かれていても、日本のビジネスで使う際に知っておくべき制約があります。本記事では、両サービスのライセンス、禁止事項、そして日本特有の肖像権・商標の注意点を整理します。あわせて、使う前に確認する4ステップと、「確認した」を組織の記録として残す方法まで解説します。

この記事でわかること
・Pexelsライセンスの詳細と商用利用のルール
・Pixabayライセンスの詳細と商用利用のルール
・両サービスで禁止されている使い方
・日本での商用利用時の肖像権・商標の注意点
・Pexels・Pixabayと他の無料素材サービスの比較
・使う前に確認する4ステップ(ライセンス日付・写り込み・逆画像検索・記録)
・組織で使うときに「確認した」をどう証明するか
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Pexels・Pixabayは商用OKだから、人物が写った写真も広告に自由に使えるよね?——実はそれ、誤解。ライセンス(著作権)がOKでも、写る人物の肖像権や写り込んだ商標は別問題なんだ。

1.Pexelsライセンス——商用利用OK・クレジット不要

Pexelsの写真・動画はPexelsライセンスのもと提供され、個人・商用を問わず無料で使えます。クレジット表記は必須ではありませんが推奨されています。

Pexelsの利用規約(Terms of Service)の最終更新は2024年11月15日です(2026年9月2日に編集部が確認)。ライセンスページには「帰属表示は不要」「写真・動画の改変は可能」と明記されています。禁止事項は次の5点です。

Pexelsライセンスで禁止されていること(公式ライセンスページより)
・写真・動画を改変せずにそのまま販売すること
・他のストックフォトサイトや壁紙サイトで再配布・販売すること
・写る人物やブランドが、あなたの商品を推奨しているように見せること
・識別できる人物を、不快な形・悪印象を与える形で使うこと
・写真・動画を商標・ロゴ・社名・サービスマークの一部として使うこと

2.Pixabayライセンス——商用利用OK・帰属不要

Pixabayの素材はPixabayライセンスで提供され、商用利用・改変が可能で、帰属(クレジット)表記も不要です。

正式名称は現在「Pixabay Content License」です。利用規約の最終更新は2024年11月18日(編集部確認:2026年9月2日)。注意点が1つあります。2019年1月9日より前に公開された素材は旧来のCC0(パブリックドメイン相当)で提供されており、それ以降の素材とは条件が異なります。素材ページの公開日で見分けられます。

Pixabay Content Licenseで禁止されていること(公式要約ページより)
・素材そのもの(またはわずかな変更版)を単体で販売・配布すること
・素材内の識別可能な人物の画像を誤解を招く形・違法な形で使用すること
・著名ブランド・商標・ロゴが写り込んだ素材を、商品・サービスに関連づけて商業的に使用すること
・素材をTシャツやマグカップなど物品に印刷して販売すること
・素材を商標・ロゴ・社名・サービスマークの一部として使うこと
・素材を欺瞞的・誤解を招く形で使うこと

「単体(Standalone)」は規約で定義されており、フィルター・色変更・リサイズ・トリミング程度の加工は「実質的に元のまま」として単体配布の禁止対象に含まれます。

2社のライセンスはどこが違うのか(比較表)

結論から言うと、商用利用の可否・クレジット不要・改変可の3点は同じです。違いは「AI生成素材の扱い」と「旧ライセンス素材の有無」にあります。

項目 Pexels Pixabay
商用利用 可 可
クレジット表記 不要(推奨) 不要(「感謝される」と明記)
改変 可 可
素材の単体販売・再配布 禁止 禁止(軽微な加工も「単体」扱い)
AI生成素材 投稿を規約で禁止 「AI-generated」ラベル付きで許容
旧ライセンス素材 — 2019年1月9日以前はCC0
モデルリリース等の保証 保証しない 保証しない

※ 2026年9月2日に編集部が各社の公式ライセンスページ・利用規約(Pexels 2024年11月15日版/Pixabay 2024年11月18日版)から確認。

3.日本での商用利用時に注意すべき3つのポイント

ライセンスがOKでも、肖像権・商標・AI生成素材の3つは残ります。両社とも規約で「投稿者が必要な許諾を得ているかを保証しない」と明記しており、この3点の確認は利用者側の仕事です。

① 肖像権

PexelsやPixabayの人物写真は、モデルリリース(肖像権許諾)を取得している場合がほとんどですが、すべての写真で取得されているわけではありません。特に、広告・販促物への使用はモデルリリースの有無を確認すべきです。日本人モデルの写真は、日本の肖像権に関する判例が適用される可能性もあります。各写真のリリース状況は、サービス上で確認できる場合があります。

日本には肖像権を定めた条文がありません。判例で認められてきた権利です。最高裁は平成17年11月10日の判決で、人の容ぼうの撮影・公表が「社会生活上受忍の限度を超える」場合に不法行為(民法第709条)になるという基準を示しました。広告に使うと、この「受忍の限度」を超えたと評価されやすくなります。著名人なら、氏名・肖像の顧客吸引力を「専ら」利用する目的での使用がパブリシティ権侵害になるとした最高裁平成24年2月2日判決(ピンク・レディー事件)も関わります。

判断に迷う顔写真は、「写真の肖像権はどこまで?一般人・写り込み・SNSの判断基準」の基準で整理してください。著名人が写る場合は「パブリシティ権とは?肖像権との違い・判例・AI時代の論点」が参考になります。

② 商標・ブランドの写り込み

写真に有名ブランドのロゴ・製品が写り込んでいる場合、そのブランドの商標権・不正競争防止法との関係に注意が必要です。特に広告目的では、当該ブランドとの混同を招く使い方は避けるべきです。

関わる法律は2つです。背景に偶然ロゴが写る程度なら商標的使用にあたらないと解される余地があります(商標法第26条第1項第6号)。ロゴを前面に出した広告は別で、不正競争防止法第2条第1項第1号・第2号(混同惹起・著名表示のただ乗り)も問題になります。Pixabayは規約自体で「商標・ロゴが写る素材を商品・サービスに関連づけて商業利用すること」を禁じており、ライセンス違反にもなります。

建物・屋外美術の写り込みは著作権法第46条で原則自由、付随的な写り込みは第30条の2で救われる場合があります。ただし施設の敷地内で撮った写真は、施設管理者の撮影ルールが別に残ります。

③ AI生成画像が混ざっているケース

2社の方針は正反対です。Pexelsは利用規約第7条で、生成AIで作成したコンテンツの投稿を禁止しています。Pixabayは逆に、投稿時に「AI-generated」のチェックボックスでラベルを付けることを条件に許容しています(利用規約第7B条)。Pixabayで人物や実在の風景を探すときは、このラベルの有無を必ず見てください。

論点は2つです。1つ目は著作物性。文化庁「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日)は、人の創作的寄与がないAI生成物は著作物にあたらないという整理を示しています。2つ目は既存作品との類似で、依拠性と類似性が認められれば著作権侵害になり得ます。Pexelsが投稿を禁じていても混入ゼロとは言い切れないため、次のSTEP3(逆画像検索)はAI由来の疑いがある素材にも有効です。

AI生成画像の扱いを体系的に確認したい方は「AI生成画像は著作権フリーなのか?——2026年の法的解釈と、仕事で使う前に確認すべきこと」を参照してください。

虫眼鏡で本を確認する様子——素材を使う前に確認する4ステップ
Photo by Harshit Suryawanshi on Unsplash

4.使う前に確認する4ステップ——ライセンス日付・写り込み・逆画像検索・記録

ここまでの内容を、使う直前の作業に落とすと4ステップになります。STEP4だけが、他の解説記事のほとんどで抜けています。

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「規約は読んだし、人物も写ってないから確認は済んでます。記録までは要らないですよね?」
実はそれ、半分だけ正解。確認したことを「後から示せない」と、確認しなかったのと同じに扱われる場面があるんです。

STEP1 ライセンス本文を「使う日付」で確認する

ライセンスは改定されます。両社とも2024年11月に利用規約を更新し、Pixabayは2019年1月9日を境に適用ライセンスそのものが違います。まとめサイトや過去の社内メモではなく、使う日に公式ページを開いてください。Pixabayは要約ページに「法的拘束力があるのは全文のContent Licenseのみ」と明記しています。

見る場所は3つ。ライセンスページ、利用規約の「Last updated」の日付、素材ページの公開日です。この3つのURLと日付をSTEP4で記録します。

STEP2 人物・ロゴ・建物の写り込みを見る

用途で基準を分けます。肖像権の「受忍の限度」もPixabayの商標条項も、営利性が高い用途ほど厳しく評価されるためです。

写り込み Webサイト・資料・SNS 広告・販促物
顔が識別できる人物 推奨を示す構図でなければ可 モデルリリースを確認できない限り避ける
企業ロゴ・製品パッケージ 背景に小さく写る程度なら可 避ける(Pixabayは規約で禁止)
有名建築・屋外美術 原則可(著作権法第46条) 原則可。施設の商用撮影ルールは別途確認

リリース表示のない人物写真を広告に使うことは、利用者がそのリスクを引き受けることと同じです。

STEP3 逆画像検索で出所をたどる

Pexels・Pixabayは投稿型のサービスで、他人の写真を無断で投稿する人がゼロではありません。GoogleレンズかTinEyeに素材を入れ、次の2つが出たら使用を見送ります。

  • 有料ストックサイト(Shutterstock・Adobe Stock 等)に透かし入りで同じ画像がある
  • 写真家のポートフォリオやSNSに、素材の公開日より前に同じ画像が掲載されている

複数の無料素材サイトに同じ画像がある場合は、投稿者本人が複数登録しているケースが多く、それだけでは問題になりません。なお、Web上の画像をスクリーンショットして使う行為は素材利用ではなく「引用」の要件で判断します。基準は「画像・スクリーンショットの引用はどこまでOK?文化庁基準で判断する実務ポイント」を参照してください。

ノートに確認内容を書き残す手元——確認した記録を残す
Photo by Светлана Химочка on Unsplash

STEP4 確認した内容を残す——「誰が・いつ・何を確認したか」

記録する項目は7つ。Excelの1行で足ります。

項目 記入例
素材URL/ダウンロード日 pexels.com/photo/…/2026-09-02
確認したライセンスと規約の版 pexels.com/license/(ToS 2024-11-15版)・画面保存
写り込みの確認結果 人物なし/判読不能なロゴ1点
逆画像検索の結果 Googleレンズ・TinEye とも先行掲載なし
用途・媒体 採用サイト トップ画像
確認者・承認者 広報課 ○○/課長 △△

なぜ残すのか。著作権侵害の損害賠償(民法第709条)は故意または過失が要件です。「使う前にライセンス・写り込み・出所を確認した」記録は、過失がなかったと主張する材料になり得ると一般に解されています。保存期間は、不法行為の消滅時効が「損害と加害者を知った時から3年、行為から20年」(民法第724条)であることを踏まえ、掲載終了後も数年は残してください。個別の事案でどこまで免責されるかは専門家に相談を。

5.組織で使うなら、確認は個人の注意ではなく仕組みにする

4ステップを担当者1人が毎回きちんと回している組織は少なくありません。問題は、その確認が担当者の頭の中と個人フォルダにしか残らないことです。

担当者が代わると「なぜこの画像を使ったか」は消える

自治体の広報課は2〜3年で異動があり、企業のマーケ担当も退職・配置換えがあります。3年前のパンフレットの写真について「どこから取った素材ですか」と問われたとき、答えられる人が組織にいるでしょうか。引き継ぎ書に「素材はPexelsを使用」と1行あっても、どの写真を・いつ・誰が確認したかは再現できません。素材サイトが部署ごとにバラバラなら、問題は部署の数だけ増えます(「ストック素材のライセンス、部署ごとにバラバラになっていませんか?」)。

情報公開請求・監査で問われるのは判定ではなく記録

自治体には情報公開制度があります(行政機関の保有する情報の公開に関する法律・各自治体の情報公開条例)。「この写真の使用許諾に関する文書」を求められたとき、判断が正しかったかより先に「文書があるか」が問われます。企業の内部監査や取引先の法務デューデリジェンスでも、見られるのは担当者の記憶ではなく確認プロセスの証跡です。

「Pexelsだから大丈夫」は判定です。「9月2日にPexelsライセンス(2024年11月15日版)を確認、人物・ロゴなし、逆画像検索で先行掲載なし、広報課○○が記録」は証跡です。自治体SNSでの残し方は「SNS投稿前の著作権確認、誰がどう「記録」していますか?——自治体広報のリスク管理」に具体例があります。

まず今日できること

  1. STEP4の表をExcelにして共有フォルダに置く。個人フォルダではなく、部署の全員が書ける場所に。
  2. 使う素材サイトを2〜3に絞り、部署のルールにする。他のサイトのライセンスは「素材の商用利用 完全ガイド」で確認し、同じ表で管理します。
  3. Excelで回らなくなったら、確認と記録を自動で残す仕組みに移す。アップロードするだけでAIがリスクを判定し、「誰が・いつ・どう判断したか」の承認ログが自動で残るサービスがあります。
いま手元にある画像で迷っているなら、EJIS LENSが1枚から無料で確認します。入力は2項目、担当者が確認して結果をメールでお返しします。
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6.まとめ——判断に迷ったら使わない、が最も安い

Pexels・Pixabayは、ライセンス上は商用利用OK・クレジット不要・改変可です。日本で残る論点は肖像権・商標・AI生成素材の3つで、いずれも両社は保証していません。使う前の4ステップで、この3つを利用者側で潰します。

⚠️ 使用を見送るべき3つのサイン

  • 広告・販促に使う写真で、顔が識別できる人物のモデルリリースが確認できない
  • 逆画像検索で、有料ストックの透かし入り画像や素材公開日より前の掲載が見つかった
  • Pixabayで「AI-generated」ラベルが付いた人物・実在風景の画像を、実写として使おうとしている

候補は他にいくらでもあります。1枚に迷う時間より、別の1枚を探す時間のほうが短い。組織で使うなら、確認した事実を残す仕組みを先に作ってください。記録がなければ、正しく確認していても証明できません。

よくある質問(FAQ)

Q1. PexelsやPixabayの画像を自社のECサイトの商品ページに使用できますか?

ライセンス上は商用利用可能です。ただし商品ページに写る人物のモデルリリース状況の確認を推奨します。また、素材そのものを「商品」として販売することは禁止されています。

Q2. Pixabayからダウンロードした画像をSNSの広告(Meta広告等)に使えますか?

Pixabayライセンス上は商用利用可能です。ただし、Meta等の広告プラットフォームが独自に要求するライセンス証明が必要になる場合があります。広告に人物が写る場合のモデルリリース確認も重要です。

Q3. PexelsとPixabayの違いは何ですか?どちらを使えばよいですか?

両サービスとも商用利用可能・クレジット不要で基本的に同じです。PexelsはCC0に近い写真が多く、Pixabayは写真・イラスト・ベクター素材も豊富です。目的に応じて使い分けることを推奨します。

Q4. Pexelsの写真を自社ロゴと合成して広告に使えますか?

写真をロゴの「背景」や「装飾」として合成する広告は、Pexelsライセンス上は可能です。禁止されているのは、写真そのものを商標・ロゴ・社名・サービスマークの一部として使うことです。人物が写る写真なら、その人物が自社商品を推奨しているように見せる構図も禁止されています。

Q5. Pixabayでダウンロードした画像を素材として再配布できますか?

できません。Pixabay Content Licenseは、コンテンツを「単体(Standalone)」で販売・配布することを禁止しています。フィルター・色変更・リサイズ・トリミングだけでは「単体」のままと扱われます。自社のWebサイトや資料の一部として組み込んで使うのは問題ありません。

Q6. 規約が後から変わったら、過去に使った画像はどうなりますか?

一般に、ダウンロード時点のライセンス条件が適用されると解されていますが、両社の規約に「変更前に取得したコンテンツの扱い」を明記した条項は確認できません。ダウンロード日とその時点のライセンス本文(URL・スクリーンショット)を記録しておくことで、当時の条件を証明できます。

Q7. Pixabayのクレジット表記は書いたほうがよいですか?

義務ではありません。Pixabay Content Licenseは帰属表示を不要としつつ「クレジットは常に感謝される」と述べています。Pexelsも同様に不要ですが推奨しています。組織で使う場合は、表示の有無より「どの素材をどこから取得したか」を内部記録に残すほうが実務上の価値があります。

Q8. Pexelsは安全なサイトですか?ダウンロードにウイルスの危険はありますか?

PexelsもPixabayも2019年からCanva傘下で運営される大手サービスで、会員登録なしで画像をダウンロードできます。「安全」の論点はウイルスより権利面です。両社とも「投稿者が必要な許諾を得ているかを保証しない」と規約に明記しており、人物・ロゴ・建物の写り込みは利用者側で確認する前提になっています。

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